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うまく行ってるマネージャー、リーダー、フォロワー: 日ハム優勝・小池知事・科学空洞化【加筆あり】

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最近のニュース(トピックス)と言えば、
★1.プロ野球パ・リーグ日本ハム優勝
★2.築地市場移転問題・東京五輪会場変更問題
★3.ノーベル医学生理学賞に日本人科学者大隅氏

であって、コロンビア人男性のサイズが体積比で日本人の4倍であることなどではない。←おーい、いきなり下ネタかー?! いや、前の記事「ノーベル賞ウィーク!」の宣伝ね♪ 記事の公開は10/4だけど、最終追記が10/22なんだから。つまりこの記事の公開日10/19の後にまだ性懲りもなく書き足している。じゃあ、この記事はいつ書いたんだってことだけど。なんでノーベル賞が体積比の話につながるかは読んでのお楽しみw


産官学のニュース


この記事では上の1~3のニュースに共通の話を書く。読者のみなさんはこれらのトピックスの共通項が何かお分かりだろうか? それは、
「人の営み」
ということである。というと、何でも「人の営み」になってしまうが、ここでの「営み」とは、
「ビジネス組織の営み」
ということであり、「夫婦の営み」を期待した人、残念w

「パートナーとの『愛』と『営み』」の方に興味にある方は吉原由起のマンガを読みながら、片手間に記事を読んで頂きたい。「暗くなるまで待てない」と思っても私のブログで時間をつぶし、「おぼれたい」と思ってもガマン、「いただきます」はパートナーが帰ってからにして、パートナーが疲れてたら「ダーリンは生モノ」なのだから控えめにして、大丈夫そうだったら「はあはあ」してw、朝まで「シーツのすきま」で過ごしていただきたい。基本は「あなたじゃないと」「恋ちらかして」なのだから、パートナーの帰りが遅いからと言って自分はテニスコーチに走るようなことはやめて頂きたい。
「吉原由起の世界」
は下ネタのようでいて、
「大人の恋の物語」
である。特に、恋愛について悩む大人の女性にお薦めしたい。
「トシさん、レディコミまで読むのね~!」
ってそうだけど、初めは「はあはあ」がエロ本だと思って間違って買っただけのことである。読んでみたらハマっただけのことであるw


吉原由起1

吉原由起2



本題の「ビジネス組織の営み」に話を戻す。「ビジネス組織」と言っても高邁で各論的なコンサルタント記事を書くつもりはなく、「ビジネス」よりも「組織」に力点を置きたい。つまり、
「うまく行ってる組織」「もう終わっている組織」
とはどういうものかについて、中学・高校・大学における各種の組織(クラブ活動や体育会系運動部や同好会やサークルなど)から社会における産官学の組織について述べたい。「産」で言えば冒頭に挙げた日本ハム球団という組織がその一例であり、「官」の例で言えば東京都庁やオリンピック組織委員会があり、また「学」についてはノーベル賞科学者大隅氏が苦言を呈した日本の政府科学行政機関や大学・研究所を俎上に挙げたい。ほら、冒頭のトピックス1~3が「組織論」の話につながったでしょ(ここらへん、論理の流れ、うまく行ってるな、と♪)。

現在、産官学の組織に深く関与していない専業主婦(主夫)や加齢や病気その他で勤めを退いた方々であっても、有給無給のパートタイムジョブ(アルバイト、ボランティア)の組織や地域社会の組織(町内会、趣味の集まり)に属している方がほとんどであろう。コストコのシェア仲間やママ友の集まりだって一種の地域社会の組織である。何の組織にも属していない、つまり社会的生活を送っていないのは、ひきこもり学生やパラサイト中年や迷惑おばさんくらいのものである。したがって、この記事は中高生から社会人、家庭人まで、ほぼすべての人に関係する内容である。何せ、この世の中(社会)は人間の集まり(組織)でできているのだから。

さらに、「組織」とは言うものの、それを構成しているのは個人であり、「組織論」は、
「個人の能力・志向性・適性・タイプ」
に深く関係している。自分の適性がどこにあるのか、将来の自己設計をどうするのか、悩んでいるそこのJK、興味をもって読んで頂きたい(下ネタは最低限に抑えるからね♪)。また、私自身に興味をもって下さっている方にとっては、私がどんなタイプの人間であるかについて私自身の体験を通して説明しようと思うので、野次馬的に楽しんでもらえるかと思う。


適性s



「ジプシー・トシは話が長い!」
とご不満の読者さんも多かろうが、ここまでの記事の趣意説明と読者への注意喚起で原稿用紙たったの4枚(1,600字)である。ここで結論だけをひと言で述べれば、まさに「竜頭蛇尾」のそしりを受けかねないが、お忙しい読者さんも多いだろうから、まず結論を書き、残りは読み飛ばすか、自分なりに考えるか、して頂きたい。でも、やっぱり最後まで読んで欲しいな♡

この記事の結論は、
「うまく行ってる組織とは、マネージャー、リーダー、フォロワーが各人の職責を果たしている組織である。」
ということである。上掲のビジネス書、
「もう終わっている会社」古我知史(こが さとし)著、2012/12/25、¥1,500
のみならず、現代ビジネスの常識だが(ビジネス雑誌に当たり前のように書いてあるが)、
「結局、組織の仕事はマネージャー仕事、リーダー仕事、フォロワー仕事で出来ている」
ということである。ここで、「マネージャー」、「リーダー」、「フォロワー」という用語について明確にした方が良いと思う。世間的に使われているそれぞれの用語とは意味が違う場合が多いからである。

「マネージャー」
とは、文字通りマネージメント(管理)をする人間のことであり、組織の内部をまとめ、対外的な交渉を行ない、決断を下し、ときに精神的支柱(カリスマ)になる人間のことである。スポーツ組織のジェネラル・マネージャーのことであって、中高クラブ活動の女子マネージャーのことではない。女子マネも一種の管理者ではあるが、ここでのマネージャーの定義は、
「組織運営に関する決定権を持つ管理者」
という意味である。具体的に言えば、プロ野球の監督やキャプテン、会社の経営者、大型スーパーマーケットの店長、ファミレスや居酒屋チェーン店のエリアマネージャー、研究室や学科・学部・大学全体の運営に当たる教授や学科長・学部長・学長(総長)、都道府県知事をはじめとする自治体の首長(くびちょう)、政府の首相や大統領などである。

「リーダー」
とはここではエキスパートの意味である。プロ野球のエースやリーディングヒッターや専門コーチ、会社のトップセールスマンや製品開発プロジェクトリーダー、工場や工房のものづくりマイスター職人やレストランのマエストロシェフや花板(はないた)(=看板板長(いたちょう))、大学や研究所の研究リーダー、自治体や国家の専門官僚、政治における政策立案調査委員や外部有識者会議委員、野党側では与党・政府を厳しくチェックする追求プロジェクトリーダーがエキスパートであり、これらがこの記事で言うリーダーである。ビジネス用語と一般用語で意味が違うというのは、
「首相が『リーダー』シップを発揮して…」
とか、民間会社の社長のことを、
「社長は『リーダー』として会社を引っ張って…」
というものであり、これらはビジネス用語としてはあまり正しくない。確かに、小さな組織の場合、社長(マネージャー)がエスパート(リーダー)を兼ねることがあり、個人経営のレストランでは看板シェフが経営者であったり、さらには金も出すオーナーシェフというのも珍しくない。しかし、あくまでも仕事としては「マネージャー仕事」と「リーダー仕事」は違う。

「フォロワー」
というのは耳慣れない言葉かと思うが、リーダーの指示に従って自分の持ち分に尽力する人間のことである。あるいは、リーダー(エキスパート)の後姿を見て、「自分もいつかは」と自分の能力を高めようとする人間のことである。会社員にあっては新入社員はほぼみなフォロワーであり、フォロワーのまま終わる人間もいればやがてリーダー(エキスパート)になる人間もいる。また、高校野球でエースだの大型スラッガーだのと騒がれてもプロ野球に入れば初めはフォロワーであり、みな何らかのエキスパートになって行く。プロ野球の厳しいところは、フォロワーのままでは戦力外通告というクビが待っているということである。ここで私は何も、
「初めはフォロワーであっても向上心をもってリーダーを目指せ。」
などと訓を垂れるつもりはない。
「ずっとスーパーのレジ打ちでいいわ。」
という人もいれば(レジ打ちのエキスパートというのもいるが)、
「テキトーに働いてお金さえもらえればいいのよねー。」
というのも一つの価値観である。その人たちが重きを置くのは家庭であったり、趣味であったり、学業であったり、まったく別の自分の夢(おのののかちゃんみたくアイドルになりたいなど)であったりするのだから。


フォロワー



話を戻すと、これらの意味でのマネージャー、リーダー、フォロワーが正しく機能している組織はうまく行くのである。

例えば、プロ野球の日本ハムはチームとしてかなり上手く行っている(冒頭の★1のトピックスね♪)。大谷翔平選手は、クライマックスシリーズで日本球界最速165km/hを出し、シーズンで投手として10勝(勝率0.714)・防御率(9回を投げた場合の失点)1.86点、打者としてホームラン22本・ヒット104本・打点67点、出塁率0.416(打率0.322は打席数382で規定打席数443に届かず)の二刀流一流選手としてまさにエキスパートである。大谷選手を今シーズンから指導している元大リーガーの吉井理人ピッチングコーチもまた、自身の輝かしい現役時代の戦績のみならず、筑波大学大学院の人間総合科学研究科で学び、修士号を獲得したエキスパートである。打者では中田翔内野手がいる。2016年のシーズンはホームラン25本・ヒット142本・打率0.250ながらも(いやこれでかなりの成績である)打点は110点とパリーグ打点王に輝いた。日本ハムにはこういったリーダー(エキスパート)がいる。

一方、彼らをまとめる栗山英樹監督は自身の現役時代はメニエール病で満足な結果を残せなかったが、引退後、研鑽を積み、白鴎大学経営学部教授に就任している(現在も教授であり、監督業のため休職扱いとなっている)。栗山氏が教えているのはスポーツ学・野球学にとどまらず、「経営のあるべき姿」ということであり、まさにマネージャーなのである。

栗山氏の知性を感じさせる言葉で私の好きな言葉がある。4年前の優勝時(大谷翔平選手入団前)に語ったものであるが、
「負けに理由あり、勝ちに不思議あり」
これは江戸時代の肥前平戸藩主(大名)で剣術の達人でもある松浦清(1760~1841)の言葉、
「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」
が原典であり、野村克也元監督もしばしば口にしている。言葉の意味は、
「勝負事で負けたのは監督による選手起用ミスや選手の不調を見抜けなかったといった必然があり、一方、勝ったのは監督の思惑を良い意味で裏切ってヒットやホームランが出たとか相手が凡ミスをしたという偶然(不思議)がある」
ということである。打者がヒットを打つのはたかだか10回に3回(3割)のことだから偶然(確率の問題)である。大名松浦清はさらにこのことから、
「勝ちに驕るな、つねに謙虚であれ、人として正しい道を歩め」
と剣術書「剣談」で説いている。栗山氏がこの言葉に込めた思いは、
「負けたのは監督としての自分の采配ミス(必然)、勝ったのは選手の好調(偶然)」
ということだと思われる。一国の主である大名松浦清同様、
「マネージャーたるもの、謙虚であれ」
という自戒の念を込めた言葉であろう。


栗山



逆に、
「うまく行ってない(行ってなかった)組織」
の典型例は東京都庁である(はい、トピックス★2に入りました♪)。実務リーダー(エキスパート)であるべき歴代市場長の無責任ぶりは、更迭(降格人事)という懲戒処分が下されて当然である。都民感情としては更迭のような生ぬるいものでなく、過去の給与返上・懲戒解雇が望まれる。退職した元市場長に対していかなる懲戒処分が下されるのか都民は注目している。これが退職金返納などでなく、口頭「厳重」注意などであったら都民(特に市場関係者)の怒りは沸点に達するだろう。また、リーダーの元で仕事をしていたフォロワー(都庁一般職員)のグダグダぶりも目に余るものがある。彼らはリーダーの顔色を伺うのみで職責を果たしていなかった。中にはまともな職員もいるだろうが、そういった職員が日の目を見ず、年功序列と根回し(わけの分からないところでものごとが決まって行くやり方)でリーダーに昇格していく都庁という組織が腐敗しているのである。

一方、東京都のマネージャーたる小池百合子氏は今のところ良くやっているというのが、世論調査の支持率に現れている。氏の仕事ぶりを評価するのは86.3%に上っている。


小池百合子

また、オリンピックのボート、カヌー・スプリント会場「海の森水上競技場」高額建設費問題でも氏の会場見直しは歓迎されているようである。これに関しては、都幹部がIOC(国際オリンピック委員会)に本体工事費251億円を98億円と虚偽報告していたことが報道されている(毎日新聞2016/10/18)。要は建設費を釣り上げてオリンピック利権を得ようとした建設会社と都議会・都庁職員の汚職である。都議会のドン、内田茂氏の逮捕は秒読みとも伝えられる。

内田

東京都のリーダー(実務エキスパート)とフォロワー(一般都庁職員)の無能・無責任・グダグダぶりに対して、マネージャーとしての小池氏の手腕に関して、実は私は当初まったく期待していなかった。というのも、氏には政策立案能力がほとんどない。環境大臣としてのクール・ビズも彼女の発案でないし、防衛大臣に至ってはほぼ何も仕事をしていない。これらはリーダー(エキスパート)の仕事であり、氏のリーダーとしての能力不足は明らかであった。また、帰国子女(海外で教育を受けた人間)にありがちではあるが、根回しを中心とする既存日本社会との交渉不足の点でも氏のマネージャーとしての資質に問題があると考えていた。石原伸晃東京都連前会長がいみじくも揶揄したように、
「小池先生は自由人だから」
というのが、「交渉しない人」という小池氏の性格の一面を表している。

しかし、小池氏は現在のところ、交渉に値しない腐敗組織や人とは一刀両断の下に交渉せず、交渉すべき国際ボート連盟会長やIOC会長などに対しては厳しい交渉人(タフ・ネゴーシエーター)ぶりを示している。氏のマネージャーとしての能力に不足はないようである。オリンピック会場問題に関して開かれる四者会談(IOCバッハ会長・コーツ副会長、政府代表丸川五輪大臣、オリンピック組織委員会森会長、小池都知事)で斬られる(責めを負う)のは誰か、素人目にも明らかであろう。ひょっとすると、都議会のドン内田氏のみならず、森会長にも司直の手が伸びるかも知れない。


小池交渉2



「うまく行っていない組織」
のもうひとつの典型例は日本の大学・国立研究機関(国研、現在は独立行政法人)と政府科学行政機関である(ふー、やっと★3のトピックスに入ったぜ)。

前の記事で私が指摘したのは若い研究者への政府助成があまりに貧弱であることだった。これはノーベル賞を受賞した大隅良則氏が受賞直後に述べた「若者は夢を抱け」に対する反論としてだったが、その後、大隅氏は「日本の科学の空洞化」を厳しく追及した。氏の言う「空洞化」は、私が挙げた若手研究者への支援の貧弱振りに加え、基礎研究への長期的な支援が乏しいことである。前者に関しては前の記事でかなり詳しく述べたので、後者に触れる。


大隅氏提言


現在、政府が助成している科学研究費(科研費)の採択率は20%。研究をしようと提案しても8割の研究者が研究費を得られていないのである。また、採択される研究はと言えば、大隅氏が指摘したように、
「近い将来に応用が見えている研究」
「現在、世界で流行っている研究」
ばかりである。大隅氏の研究のような応用まで40年、50年かかる研究はもはや無視されているに近い。氏はこの点で苦労したと言うが、氏が研究を始めた頃はまだ基礎研究ができたのだろう。だからこそのノーベル賞である。それが今はもうできない。氏が語ったように、
「毎年、日本人がノーベル賞を受賞したなどと浮かれている場合ではない」
のである。

昔は政府から大学や国研に広く薄く研究費が分配されていたし、大学・国研も独自に研究者に少額の(50~100万円程度)の研究費(公費)を出していた。しかし、これは「バラ撒き」という名の下にほとんど撤廃され、研究者はパソコンさえ私費で買うハメになっている。また、大学・国研ともに独立行政法人化(独法化)されたことで、研究費に関して各研究機関が独立採算性を取ることになった。つまり、
「研究費が欲しければ政府に頼らず、企業寄付を募るなど自分たちで取って来い」
というわけである。これでは基礎研究などできるわけがない。その一方で、「選択と集中」の美名のもとに、大型プロジェクト(年間50~100億円)には予算をつける。理化学研究所(理研)や東大関係の各研究施設(ハイパーカミオカンデやKAGRA)では研究ができる。しかし、その多くが失敗に終わっている。研究なのだがら失敗する(海外の研究施設との競争に敗れる)ことは責められないが、中には初めから失敗が見えているビッグサイエンスもある。結局はうまくコネと作文で政府官僚を丸め込んだ研究マネージャーの勝ちなのである。しかし、これでは「日本の科学の空洞化」は進む一方である。政府の科学予算の配分はビッグサイエンスに行き過ぎている。「一発当てれば大きいから」というバクチを政府はやっているのである。


ビッグサイエンス


また、先日の「NHK日曜討論」で議論されていたことだが、ある有識者は、
「研究者は白衣を脱いだらスーツを着てビジネスマンになるべきである」
とのたまっていた。つまり、研究者はリーダー仕事・エキスパート仕事(研究)と同時にマネージャー仕事(研究費集めの対外交渉)をせよというわけである。これははっきり言って暴論であり、「日曜討論」の参加者から猛反発を受けていた。iPS細胞の山中伸弥氏に、
「研究費集めのためにもっと寄付マラソンを走れ。1年に100回以上走れ。」
と言っているようなものである。

何が問題か。そもそも政府が支出する研究予算が少なすぎる。
「予算の総額は決まっているのだから、それを文化・学術・スポーツに使うか、年金・介護・健康保険に使うか、国家安全保障のための防衛費に使うか、の選択である」
と政治家や官僚はしたり顔で言う。こういう言い方をされると国民は、
「研究者にお金をあげるよりも年金が大事だよね、自衛隊の方にお金を回してほしいよね。」
と思い込んでしまう。しかし、政府の裏金(特別会計)の問題は手つかずである。故塩川正十郎氏(塩じい)が語ったように、
「母屋(一般会計)では茶漬け喰ぅてんのに、離れ(特別会計)ではすき焼き喰ぅてる」
というあれである。この件に関して、旧民主党は与党時代まったく切り込めなかった。現与党の自民・公明党はどこ吹く風である。


特別会計と塩じい


だんだんこの記事のトピックスである「組織論」から離れて科学行政の話になってきたように思われるかもしれないが、要するに政府科学行政機関という組織に問題があると言いたいのである。その一方で、この節の冒頭で挙げた大学や国立研究所という組織もうまく行っていない。これに関しては具体例を挙げるにとどめよう。

国研のいくつかは非常に胡散臭い。ある国研では政府助成の下で大型科学測定装置(数億円)を導入しているが、まったく使っていないと聞く。年に1度、装置メーカーの人間がメンテナンスに行ったときの主幹研究員(大学教授にあたる)とメンテ作業員の会話が笑える。
「メンテのついでに測定データ出しといてよねー。サンプルは何でもいいから。」
「先生、もうそろそろ装置の使い方、覚えて下さいよ。」
「いいの、いいの。報告書にデータ貼り付けたら終わりだから。」
「ははは(力なく笑う)。」
結局は予算獲得は難しいが、成果報告書のチェックが甘すぎるのである。こんな国研研究員は税金泥棒である。ちなみにその研究室では主幹研究員の恩師の老人(80歳以上?)を顧問と称して常駐させている。顧問料を税金から払って、顧問がやってることは朝から新聞を眺めていることくらいである。まったく腐りきった研究室であり、国研には似た話が多いと聞く。

また大学も問題が多い。予算執行報告書の例で言うと、東工大の売店には、
「東工大名物1円クリップ」
なるものがある。予算を使い切るための最後の最後の帳尻合わせに、この「1円クリップ」が購入され、「みごと予算すべて執行しました」というわけである。1円とまで行かない少額の余り予算は、東工大に限らず他の大学でも、別の無駄なものに使われている。


胡散臭い

また、東工大や東大では胡散臭い「特任教授」や「特任研究員」がかなりいる。先般述べたように独立採算性を政府から求められているため、金を出して「寄付講座」の「特任教授」のポストを買い、エセ科学をやっている人間もいる。東大にはiPS細胞手術を捏造した森口「特任研究員」もいたし、今も薬品ブローカーなのに「特任研究員」の肩書きを拝している人間もいる(ブローカーという仕事が悪いのでなく、研究もしていないのに研究員の称号を与えることに問題がある)。「特任教授」「特任研究員」の名誉のために言っておくが、この肩書きには大きく分けて2種類ある。上のような本来そうあるべきでないのに肩書きだけを与えられた人間と、特に研究業績が秀でているために特別に大学に所属してもらっている人間である。後者は定年退官した教授がその後も研究を続けるために「特任教授」の名を冠していることが多い。だから、「特任」と書かれた名刺を渡されたら、その人は「ピカイチ」か「下衆の極み」か見極める必要がある。

大学や国研でこういった事例が多発するのは、とどのつまり、民間では当然の(あるいは目標とされている)「マネージャー」「リーダー」「フォロワー」のシステムが機能していないからである。名リーダー(エキスパート)は必ずしも名マネージャーではない。そこには、
「個人の能力・志向性・適性・タイプ」
というものがある。また、一人の時間は限られているから、個人の適性を見極めた上で分業を行なわなければ組織はうまく行かない。




ということで、ここから、
「個人の適性」
の話に入るはずだったのだが、あまりに長くなったので次以降の記事に譲ることにする。
「中学・高校のクラブ活動の運営のこと、聞きたかったのにもう!」
というJCならびにJK読者さん、すいません。
「私、自分の適性を考えて将来設計をしたいと思って真剣に記事を読んでたのにぃ!」
という大学受験生読者さん、許して下さい。
「トシさんの経験とタイプがどんなのか知りたいと思って読んでたのに…残念。」
という野次馬的個人的興味をもって下さっていた読者さん、ごめんなさい。

力尽きました。でもだんだん良くなって来てます。


血圧2




【2016/10/22追記】
日本シリーズ第1戦は、広島5-日ハム1で広島の勝ち。大谷翔平投手が2本のホームランを浴びて途中降板した。試合の流れは、SportsNaveの「スコアプレー」をご覧頂きたい。


大谷初戦敗戦途中降板

大谷投手は上々のすべり出しで3回までは被安打2、奪三振5。調子は良かった(投球回数6回で奪三振11、球速は最高158km/h)。スコアの詳細は朝日新聞デジタルをお薦めする。

明日の新聞でどのように分析するか注目されるが、今のところ、スポーツニュース解説者は、
「大谷は2発のホームランに泣いた」
とか的外れなことしか言っていない。なぜ打たれたのかを分析するのが解説者の仕事であり、このコメントは事実を情緒的に述べているだけである。むしろ、試合生中継の解説者(衣笠祥雄、槇原寛己、三浦大輔)のひとりが語ったように、
「広島打線が一巡した4回、一発を狙っている4番・6番の強打者・長距離ヒッターに対してスピードボールを試しにかかった」
ことが敗因であろう。大谷の若さ(考えの至らなさ)か、キャッチャーのリードミスか、ピッチングコーチの方針ミスか、そういったミスを許した監督の決断ミスかは分からないが、ストレートを試すならばまずはホームランなど狙わない下位打線に対してであろう。勝負はある意味、弱い者いじめから始めれば良いのだから、相手ピッチャーの打順で165km/hを試してもいい。一本調子のスピードボールはプロ野球の強打者には通用しない。ホームランを打ったことは偶然であるにしても、ホームランを打たれたことは必然である。上に書いたように、まさに、
「負けに理由(必然)あり、勝ちに不思議(偶然)あり」
を絵に描いたような試合であった。



【2016/10/23追記】
日本ハム敗戦の原因を解説者山田久志氏が分析している。4回のホームラン2本もさることながら、2回に広島にダブルスチールを決められた最初の1点が大きかったと言う。ランナーが1塁と3塁にいる状況で、2塁盗塁を狙うと見せかけた1塁ランナーをアウトにするためにキャッチャーの送球は2塁に達した。この時、大谷投手はマウンド上でしゃがんでしまった。大谷投手がしゃがんだのを見て3塁ランナーはホームを目指して盗塁成功。



山田氏によるとこの状況では5種類のサインがあるという。
(1)2塁送球
(2)3塁送球
(3)2塁送球と見せかけてピッチャーがカットして本塁送球
(4)2塁送球と見せかけてショートが前でカットして本塁送球
(5)送球すると見せかけてキャッチャーが送球しない
実際には2塁に送球されたのだから、(1)か(3)か(4)のサインが出ていたはずである。ショートは2塁ベースにほとんど入れていないのだから(1)ではない。ショートは2塁近くのホーム寄りにいなかったのだから(4)でもない。結局、サインは(3)であったはずである。つまり、キャッチャーは大谷投手に投げているのにカットせず、しゃがんでいる。(1)や(4)の場合でもピッチャーはしゃがんではならないと言う。あくまでも、キャッチャーからの送球を取る素振りをするか、実際に捕らなければならない。結局はサインミス(行き違い)と大谷投手のポカが原因で1点目を取られた。

負けた原因ははっきりしている。これもまた、
「負けに理由(必然)あり」
の一例である。それにしても、ワンプレーに5つのサインを使い分け、プレーの最中に冷静に判断・実行しなければならないプロ野球は奥が深い。それに比べて大谷投手はまだ若い。
「認めたくないものだな、自分自身の、若さゆえの過ちというものを」


若さゆえ

でもまだ第一戦。日本ハムの日本一を私は信じて応援している。だって栗山監督だもん♪



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